落語と寄席の再考②
特殊すぎるピン芸人が体験した初めての落語・寄席
Twitterのヘビーユーザーなら知っているかもしれない
RT/FAVが沢山されたツイートが沢山あり、ニュースサイトで話題になって取材も何度かされている
つい最近もツイートからインタビューをされている
私もまずTwitterで知った口だ
そんな彼はいったい何者だろう?
芸人なのである
「芸歴は」「事務所は」「賞レースの戦績は」「どこに出てるの」「コンビ、トリオ?」「神奈月の弟子?」と疑問が浮かぶかもしれないが、とりあえず彼はとんでもないピン芸人である
決して嘘ではない
「面白い」「笑える」は主観や好みにどうしても左右されるかもしれないが、彼はヤバいという形容が簡単にできる
試しに彼のYouTubeチャンネルを観て欲しい
恐ろしい量のコントがアップされている
1日、2日かけての軟禁ライブ含めた単独ライブを尋常なペースで行い、ほぼ撮影しているためにこのような状況になっている
これだけ数があるからテーマや制作日時に準じた連続再生できるプレイリストも沢山ある
メインアカウントとは別に質問箱に答える用のアカウントもあるのだが、人生相談や愚痴のような質問に対しては答えと一緒に自身のコントの動画までセットにして返事をしている
彼は単独ライブで客からお題を一つもらって即興コントを行う時間を設けている
私も数回その場で作ってもらったが、待たせずにすぐに形あるものになっていて驚いた
大喜利やモノボケだってお笑いの学校で改めて学ぶほど大変なのに
まるで落語における三題噺を想起した
落語では三つのお題を客からもらい噺をつくり演じる三題噺という形態がある
なにせこれから古典落語の名作の『芝浜』が生まれたのだ
客への信頼とハプニング性という矛盾した二つを抱えながら、作品としての完成度を求められる難しいエンタメを、落語以外の場所・形態で感じられるとは思わなかった
そういえば彼はどんなコントでも同じ衣装で大がかりな道具や照明・BGMを使わない芸風だが、客の想像に委ねて何もないから何でもあるを生む落語に通じる
そんな彼だが実は落語を聴いたことも観たこともないのだという
寄席の定席(落語が主な毎日営業している演芸場・最も狭義な定義の寄席)にも行ったことがないのだという
吉本興業のそれぞれコンセプトや客層が違う各劇場は、平日日中含めた毎日の定期興業を行っているが、出演者は日替わりである
対して定席はテレビ向きでなくなってしまった落語という芸がメインで、ほとんどが頻繁な大手メディア露出の少ない出演者が、10日間ごと(なので番組によってはGW以外でも土日祝の休日が4日以上ある場合がある)でたまに代演も含めながらも毎日出演する
様々な事情から大勢の芸人が出演するライブやイベントに出演する機会が減少し、結果的に軟禁状態の長時間公演も含めた小規模で早いスパンでの単独ライブが主な活動になってしまった九月にとって、芸人が前後の出番に芸風・時間も気を遣いながら連携して進む公演はどう感じるのだろうか
今回スケジュールの都合などから選んだ寄席と番組は池袋演芸場の1月下席昼の部
東京の寄席で他の三軒と比べると最も敷居が高くマニアックな場所だ
何しろ唯一地下にあるし、収容出来る人数・出演者は最も少ない
しかも演者の自作と時代設定が現代であることが多い新作落語の出演者が主で、トリ(主任)はまだ落語界では数が少ない女性の真打というレアな顔付けがされた番組
そのうえ色物が少なくて、そのうちの出演者は落語協会非会員のメディア露出も多いウクレレえいじ
今まで知らなかった遠い世界に触れるというよりコント師、同業者としての目線が強まりそうで不安である
しかしこの演芸場、噺家はマイクなしの肉声で最も持ち時間が長い
ここから生まれた名演も伝説も沢山ある
ナイツの漫才もここでのネタおろしが多いのだ
それこそ三遊亭円丈という噺家は、1980年5月の下席のまだ地下でなかった頃の旧 池袋演芸場で三題噺を10日間客の投票で勝敗をつけて行う興行を行った
当時のマンザイブームに対抗できた数少ない噺家だったが、その伝説の始まりはここである
当日、雪が降る予報があったがなんとか天気は持ってくれた
この池袋の地下でさてどうなる?
…③に続く

英訳するとIkebukuro Entetainment Hallらしい

交互出演3枠。代演が3名。プログラムに載っていない前座も含め、この日に古典落語を演じた噺家は4名。
九月 出演予定ライブ
2.5 (日)大喜る人たち 「シチュー」 開場18:40 / 開演19:00/閉演21:00
@杉並区方南町 方南会館 現地 2000円
YouTube番組「大喜る人たち」 のライブ。 出演者は大喜る人たち公式アカウントにて随時更新。
2.6 (月) One NIGHT LIVE 開場19:15 / 開演19:30/閉演21:00
@池袋西口GEKIBA 料金 前売2100円/当日2500円
出演 ヤマト (Hi TEENS)/TEAM近藤/バチョフ/ 竹迫ゆうじ / Yes! アキト / 鳥谷尾だいき/ヒガ2000 /ムラムラタムラ・ザ・ヘッジホッグ/九月/清水駿平/福来る
2.9 (木)京浜コント地帯 開場19:00 / 開演19:30
@横浜 Naked Loft Yokohama 現地 2000円+1drink 配信 1500円 (応援の上乗せ可能)
出演 メガネロック大屋/九月/徳原旅行
ピンのコント師3人によるライブ。 本ネタ&トークの流れで突然始まる即興コント企画のライブ。
2.19 (日)ジャス百烈拳 開場 19:00 / 開演19:10
@新宿Fu+803 料金 1500円
出演 小野寺ジャスティンのTwitterにて随時更新。
小野寺ジャスティン主催。 九月は3分ネター本。
2.25 (土)新道竜巳と大喜利
第一部 開場15:25/開演15:30/開演16:30
第二部 開場16:55 / 開演17:00/開演18:00
@阿佐ヶ谷産業商工会館
料金 前売1000円 当日1500円
出演 新道竜巳アカウントにて随時更新。
2.26(日) 第100回単独公演 「俺が老若男女だ」
開場 17:30 / 開演 18:00/開演 19:30
@渋谷松濤 BASE 1500円+1drink
「老若男女」 をテーマにした90分のコント公演。 テーマに沿った10~15本のコントを披露します。
3.3 (金) -3.5 (日) 第101回単独公演 53時間軟禁ライブ 「何がまっさらな家だ」
開場 3.3 18:00/開演 3.3 19:00 / 開演 3.5 24:00
@兵庫県尼崎市のシェアハウス
入場1000円/応援入場2000円
53時間閉じ込められてコントをし続けるライブ。
九月以外出入り自由
九月 各メインSNS
Twitter @kugatsu_main
質問箱 九月の読むラジオ2
note 九月
Youtube 九月劇場
Fantia 九月課金組合
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